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こんなエフェクターあったんだブログ

気まぐれに更新。エフェクターの話題を中心に音楽系の話題を。

エミッタ接地の動作点は必ず電源電圧の中点にすべきか

動作点は必ず電源電圧の中点にすべきか

下図はエミッタ接地増幅回路図を使った,ちょっと歪むブースター回路です。
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教科書ではエミッタ接地増幅回路の動作点を電源電圧の中点に設定するとされますが、本当にその必要があるのでしょうか?9Vp-pをフルに使って、アンプに信号を送る必要は本当にあるのでしょうか?
 ネット上では様々なエフェクターの回路を見ることができます。ディストーションの回路を見てみると、ギター信号を数100~数1000倍した後、ダイオードで出力信号をクリップさせ、1.6Vp-pにして、さらにボリュームを使用して出力する信号を小さくしていることが分かります。
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つまり、ケースバイケースで動作点を設定してあげればいいことになります。バイアスを中点に設定して9Vp-pをフルに使うようにしなくてなくても、エミッタ接地増幅回路の出力が歪まない範囲であれば、バイアスを他の電圧に設定してもよいということになります。電池駆動を考えて、省エネで設計するのであれば、周波数-エミッタ電流特性を考慮してエミッタ電流を減らし、ブリーダ抵抗を大きくしたりて消費電流をおさえることができます。ACアダプタだけで駆動させるのであれば、多少強引に設計してもOKだとは思いますが、その場合は各部品の許容電力に注意しましょう。

 はじめに載せた回路はネット上で見つけたエレハモのLPB-1の回路図を元ネタに私が手持ちの部品で自作したブースターの回路図です。動作点をGND側に近づけて交流増幅度を上げているので、若干歪みます。C2で交流増幅率を高くして、波形をGND側に引っかからせています。もしこの回路図をネタにしてエフェクターを作るのであれば、他の回路のようにボリュームは必ずつけてください。この回路でエフェクターを組んでアンプに直接、繋ぐと結構うるさいです。

【参考:回路図の記号とそれぞれの役割】

ブースター回路(エミッタ接地増幅回路)
R1…トランジスタのベース電圧(バイアス抵抗)を決める抵抗。
R2…トランジスタのベース電圧(バイアス抵抗)を決める抵抗。
R3…出力用の抵抗。R4との抵抗値の比で出力される電圧増幅率が決まる。
R4…エミッタ抵抗。ここに流れる電流が変化するとその変化が電圧としてコレクタから出力される。
C1…ギターからの交流信号のみを通すためのコンデンサ
C2…交流分だけを増幅するためのコンデンサ。C2の抵抗分とR4抵抗値の比で交流分が増幅される。
C3…ギターからの交流信号のみを通すためのコンデンサ
Q1…定番のNPNトランジスタ。2SC1815。

ACアダプタ
DC_INPUT…一般的なエフェクタに使用されるDC9V。C1,C3が直流をカットしてくれるのでブースタ回路だけに9Vかかる。

ギター
INPUT_Z…出力インピーダンス。ここでは0としているが、実際のギターの出力インピーダンスは数100kΩとされる。
INPUT_SIGNAL…ギターの出力信号。

アンプ
OUTPUT_Z…アンプの入力インピーダンス